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2017年2月22日 (水)

「トランプ」発言

 トランプ大統領が世界を賑わせていますが、安倍総理との会談後の記者会見で「沖縄県の尖閣諸島は、アメリカによる防衛義務を定めた日米安全保障条約の100%適用範囲である」と発言されました。日本のメディアは、大統領の発言だけを何回も報じましたが、その言葉の意味についてどう解釈するのかについては全く説明していません。お茶の間で聞いていると、まるで、日本は何もしないでも、中国が実力行使して来たらアメリカが100%守ってくれると理解しているのでないかと心配になります。


日米安全保障条約の第五条をよく読んでみます。
【第五条】 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。


日米安全保障条約第五条の適用要件

 「日本国の施政の下にある領域」が適用範囲です。自国の領土だと主張していても実際に施政下にないと適用されません。従って尖閣諸島は、現在は日本の施政下に入っていますので、100%条約の適用範囲ですが、万が一中国が突然上陸を強行して島を領有したら、その時点で日本の施政下でなくなりますので、条約の適用外になります(竹島の例)。ここが問題です。中国が上陸を強行しようとしたとき、日本は力づくでも上陸を阻止しなければなりません。過去に上陸強行事件や漁船の衝突事件などがありましたが、いざというとき自衛隊は出動できるようになっているのでしょうか。

 「自国の憲法上の規定及び手続きに従って」行動するということは、最低限アメリカ議会の承認がないと出動できません。承認が得られる条件は、アメリカの国益に適うかどうかと、日本の汗の掻きかたによると思います。日本がアメリカ議会を説得できないと支援は得られません。

 こう考えてみると、トランプ大統領のリップサービスは、耳触りはいいのですが、現実は厳しいということを日本国民として理解しておく必要がありそうです。

 もちろん、竹島も北方領土も日本固有の領土ですが、施政下にない現在は安保条約の適用外です。又、日本から武力攻撃しない限り紛争は起きないので、この点からも適用にはなり得ません。

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